結婚以外の男女の関係の1つとして“事実婚”という選択肢もあります。
よく“内縁”とも言いかえられますね。
実は最近、この事実婚という選択を取るカップルが増えてきているようです。
この背景には女性の社会進出や高年収化などが関係しているようですが、法的な婚姻関係ではなく事実婚を選ぶメリットやデメリットは一体どのようなものがあるのでしょうか?
今回は事実婚という夫婦のカタチについて考えていきたいと思います。
そもそも事実婚と法律婚の違いとは一体何でしょうか?
これは多くの方がご存知のように、婚姻届を提出して法的に夫婦と認められているかどうかという違いがあります。とは言っても、周りの人からすればどちらであっても夫婦関係に見えるでしょうし、もちろん本人達も夫婦関係にあると考えながら生活を送っています。
しかし、法律的な面で考えると大きな違いがいくつかあります。
婚姻届を出している夫婦は同じ戸籍に入ることになりますが、事実婚の夫婦の戸籍は今まで通り別々です。
事実婚の夫婦の場合、お互いの相続権を持っていません。
遺言などにより遺贈を行うことは可能ですが、相続税が2割加算されてしまいます。
婚姻届を提出した夫婦の場合は、もちろん子どもも夫婦の戸籍に入ることになりますが、事実婚の場合だと子どもは母親の戸籍に入ることになります。
父親が法的に父親として認められるためには、認知が必要となります。
それでは実際に事実婚のメリット・デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?それぞれ解説していきます
現在の日本の法律では、婚姻届を提出して結婚する場合、夫婦どちらかがもう一方の姓になる必要があります。
女性が姓を変えるケースが多いのですが、仕事の都合などにより姓を変えたくないという場合も多いようです。
改姓することに不都合を感じるのであれば、事実婚も選択肢の1つとなるでしょう。
婚姻届を提出した夫婦が離婚した場合は、2人の戸籍に離婚した記録が残ってしまいます。
しかし、事実婚であればそもそも戸籍が一緒になっていないので、別れたとしても戸籍には何の影響もありません。
事実婚の夫婦は公的な手続きを行う際に不便に感じることがあります。
例えば、税金に関しては配偶者控除を受けることができなかったり、相続税が割増になったりしてしまいます。
社会保険上の扶養とする場合でも、事実婚であることを証明する手続きが必要になってしまいます。
事実婚はまだまだ広く認知されているとは言い難い状況です。
そのため、他人からの詮索や質問などによって不快な思いをしてしまう可能性があります。
他人であればまだ良いのですが、実の家族や親戚から事実婚そのものを反対されてしまう可能性があることも留意しておきたいところですね。
以上、事実婚のメリット・デメリットを大まかにまとめてみました。
夫婦によっては事実婚の方が享受できるメリットが大きい場合もありそうですね。
しかし、まだまだ日本で事実婚への認知は広くありません。
夫婦間でしっかり話し合って、婚姻届を提出するのか事実婚とするのかを考える必要があります。
事実婚のより詳しいメリットとデメリットに関しては以下の記事でもご紹介していますので、併せてご確認ください。
事実婚のメリット・デメリット